祈りの島
久高島にいる大重監督に会いに行った。
監督は 生きる の師。
生前、日を重ねていくごとにかすれていく声は、誰よりも、ひたすらに若々しい、太陽のような声になっていきました。
そして、透明になってなお私の耳元でこだまする、揺れるどころか聴こえてくる声に、胸のおくが くーっ となり、鼻のおくは きゅーっ とし、生きている呼動を実感します。
「久高オデッセイ」(結章 生章 風章)三部作は、どこからも風がふいてくる作品。祈りがとけこんでいる作品。
祈りをこめるってなんだろう、こめるものなんだろうか…とずーっと思ってきたその答えのかけらが、ひとまとまりになっている作品。
珊瑚の砂 ひと粒ひと粒
打ち寄せる ひと波ひと波
葉光のゆらぎ
見つけるとサッと潜んでしまう
生命の気配と生命の声……
祈りの島。
未来(子どもたち)の島。
生きる姿そのものが生きるひとである大重潤一郎監督のどの作品も、こちら側にいて、監督のまなざしの場所と出会うことができる生きた作品です。
心ひかれましたら
みずから追いかけキャッチしてほしい。
生きる自由を語りかけ、いつでも、すぐそこで、打ち鳴らし続けてくれます。