ゆらぎと眠り&音空ハーブウォーター

二宮町在住。来年には➡改め、来月中にはハーブウォーターをお披露目、販売します。ゆらぎと眠りのセラピスト浅沼瞳の音空(おとそら)ハーブ畑観察日記と暮らしのブログ。

銀杏

hotomo92017-12-03

駅へ向かう川沿いに、大きな大きな銀杏の木がある。
すっぽりと抱きしめてくれているかのような丸い形をしていて、この木が銀杏だと気付いたのは夏の始め頃。

大きな木だな、と思ってはいたけれど、駅へ向かう時は大抵少し急ぎ足だからそのまま通り過ぎていて、緑の輪郭がくっきりし始めた頃に、葉の形が銀杏の葉だと気付いた。

白をベースにしたようなやわらかい緑の葉がサワサワと揺れていて、黄色く色づく頃にはどうなるんだろうと、季節の経過を楽しみにしていた。

ここ1、2週間で葉色は、あっという間に見頃も見頃の黄金(こがね)色。

という訳で、施述に来てくれる方を迎えに駅まで行き、家へ向かう時はもれなくお連れしている。木の下のベンチに座って見上げ、輪郭はやわらかで、白をベースにした黄色い葉っぱに丸ごと包まれていると、小学校帰りの思い出の中にいるみたいになる。

目がやわらかくなるような黄金色の葉にぴったりの木肌は肌色。
これまた白を蓄えているような肌色。

銀杏の木に通い、しばらくしてから思い出したのは今年の1月に他界した祖母のおもかげ。

銀杏の木肌のように白くて、半分透けてて、やわらかいその光は金色だった。

他界してしばらくは、祖母からもらった金色の指輪をどこに行くにも連れて行ったり指につけたりしていたけれど、いつの頃からか、持ち歩いたり持ち歩かなくなったりした。

なんとなくお護り代わりに買い求めた、一見、金色(ゴールド)とは分かりにくい、くすんだゴールドのレザーバックも、少しずつ持ち歩く頻度は減っている。

手放すでもなく
忘れるでもなく
気付いた頃には手の中にすっぽり収まっているように。
染み込んで
浸透して
祖母はすっかりいなくなっていた。

鎮魂の日々を過ごしているつもりは全くなかったけれど、そうだったんだな、と思う。

あれからほぼ1年。
銀杏のやわらかでくすんだ金色が景色となって現れ、
またひとつ、この町を好きになった。

あと2、3日もすれば、ほとんどの葉は落ちてしまいそう。
その頃の見頃は、枝からはなれた葉に一面敷き詰められた土の上。その足元。
葉の色づいているこの時期にお連れできるのはあと2人。
来年はもう少し増えそうな予感がたくさんある。



師走のご予約は月末辺りの数日余裕があります。
年内に、という方はぜひどうぞ。
枇杷の葉のチンキが仕上がって、
足湯に使うと日本酒風呂に入っているかのようにポッカポカですよ。