ご挨拶
暮らしていくにはどうするかを考え、ネジのゆるい脳みそを精一杯回転させ、奮闘に奮闘を重ねたこの2、3年。今年は特に、暮らしのしくみを調えるひとめぐりとなりました。
お客さんの95%は舞台で表現する方々。そのプロとしての意識の高さに引っ張られ、頑張ったと言うよりも頑張らされちゃた、という感じ。しかもその感じが嫌じゃなく、むしろ好き。
暮らしのお金はデコボコ前提だからこそ分配がとても大切で。世間知らずな私は、友人、知人、家族、時には道端で遭遇した初めましてなおばあちゃんからも、暮らしにまつわるお金のことを教わりました。
それと引っ越し。
住むつもりのなかった場所で住まいが見つかりましたが、40〜50分もあれば登って下ることの出来る散歩山が近くにあるし、川の流れを辿っていくと海まで20分程で着きます。図書館は広いし、借りた本をゆっくり読める古くからの喫茶店もあります。
今朝のこと。
隣に住む大家さんが朝の散歩でしょうか?テクテクと私の家の前を歩いていました。朝起きてすぐにベランダに出た私を発見し、すかさず「おはよう!」と大きな声の挨拶が。私も「おはようございまーす!」とご挨拶。もうこれだけで今日はいい一日だ。そんな気持ちになります。思い返せばここに引っ越しをして半年。今朝に限らず何度もこのやりとりは起こっていますが、いつでも何度でも、ここにいる、と実感させてくれる出来事です。
この町を真っ先に好きになった日常の風景は、幼稚園児や小学生、中高生が行き交う景色とその声。
朝のほぼ決まった時間帯に、通園、通学中の声とその気配で明るくなります。引っ越しをして1、2ヶ月した頃、朝のお馴染みな雰囲気がピタッとなくなり、夏休みがスタートしたからだ、と気付きました。「声が聞こえないぞ、なんでだろう?今は何時頃だろう?」と思うほど、いつの間にか暮らしの中に明るさをもらっていたので、早く夏休みが終わってくれないかなーと、寂しくて仕方ありませんでした。
こんな風に暮らしや自然に染み付いているものが「その時」をお知らせしてくれる感じは、1、2年前から少しずつ、時の流れ方とその質を変えてくれました。
しつこさ満点で、もうひとつ。
施術が終わった後は、ぐるっと家の近所を周遊し外に出る習慣があります。西へ足をのばすことが多いので、山へ沈んでゆく太陽の景色を眺めます。
11月に入って「日短かになったな。」
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しばらくして「あ、もう陽が傾きはじめた。」
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その後1週間ほどが経ち「もう夕暮れ。」
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周囲の冬至情報が増えに増えて「そうか、そろそろ冬至だ。」と冬至を思い出し、
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その日、その時が近付くと「夕暮れ、はやっ!」「今日、冬至?」「明日か、でももう冬至の範中だろう。」といった具合です。
自然がくりかえし、くりかえし「その時」を意識させてくれる流れは、その日が過ぎてもしみじみと身体の中を流れてゆきます。あらかじめ何日の何時何分を目指すのではなく、暮らしの中に冬至が来る。風に身をさらすと肌ざわりが変わって季節のめぐりを感じる。きっと草木や植物、野菜や生きているもの達は、そんな風に時の流れと季節のめぐりを感じているんじゃないか、と思っています。
お世話になっております皆様には、どんなひとめぐりが流れたでしょうか。
さて、おつとめもあと数日となりまして、来年のおつとめ始めは、たっぷり充電をして1月15日〜です。本年もありがとうございました。年を改め、お会いできるのを楽しみにしています。