ゆらぎと眠り&音空ハーブウォーター

二宮町在住。来年には➡改め、来月中にはハーブウォーターをお披露目、販売します。ゆらぎと眠りのセラピスト浅沼瞳の音空(おとそら)ハーブ畑観察日記と暮らしのブログ。

思い出しの味

hotomo92018-11-15

お土産に、と思って、久しぶりに二宮駅近くにある「むーにゃん」のパンを買った。

むーにゃんパンを一緒に食べた、なっくティーチャーは、「身体に負担がかからないねえ」と、ぴったりの一言を仰った。パンとルイボスティーをセッティングしてくれた、まきちー大先生は、「うんうん、そうそう。おいしい」と仰った。その表情は、驚きの美味しいが表れる表情、と言うよりも、やさしい、と言った表情。

むーにゃんのパンは、味が濃いわけではなく、具がたっぷりでボリュームがあるわけでもない。絶妙な分量のきわきわを攻めているわけでもないし(むーにゃんパンとして絶妙)スタイルがかっこいいとも違う。昭和からありますよ、という町のパン屋さんとも少し違う。負担のかからない抵抗の少ない、だからと言って物足りないなんてことのないやさしい味。じゃあ、ふわっとして、まるくて、もにゃもにゃか、とも違う。パンごとに生地の味や食感を使い分けてあるし、具もていねいにカットされていてゴロッとしていて、あんこも自家製。あんこの甘味は舌にいつまでも残る甘味じゃなくて、すーっと溶けてなじんでいくやさしいあんこ。 身体の輪郭までやさしくなるほどよ。
っていうのが表情に表れてきて、のんびりしてしまうパン。

これでどうだろう。
少し前の文章力のとぼしさよりは文字数もやたらに増えているし、伝わりパーセント100を満点にしたら60くらいにはなっている、と思いたいです。希望。

前置き長ーく、やっと思い出したこと。

1 「そうそう、こうだった。わたしの胃はこのくらいがよかった」と胃腸が思い出し、合わせて思い出したのは、わたしが以前作っていたパンや焼き菓子の味。すっかり忘れていたけれど、いつだったか、なっくティーチャーにスコーンを食べてもらったことがあって、「おいしいね、水のような味だね」と仰っていた。その時にはその仕事をやめてしばらく経っていたから、作っていた当時の味そのままではないだろうけれど、「もうこれで充分だ」と心底思えたんだった。

2 チョコレート屋さんで働いていた時、ピエールから、「瞳のチョコレートケーキは見た目がどんなに同じでも、ぼくにはわかるよ」と、英仏まじりの言葉でわたしにも分かるように話してくれたことを思い出した。その当時どんなに味見をしても味の違いはさっぱり分からなかったけれど、言いたいことは伝わってきて、それだけで5年働けたというのは少し言い過ぎかもしれないけれど、そのくらい嬉しかったことを思い出した。

3 去年リトルフォレストという映画を観賞した時に「なんて美味しそうなんだ。こうやって作るのか。作ってみたいな」と、いちいち思ったのに、作ろう、とは思わなかった。作っていた当時なら、「明日いくつか作るから食材を買い足して、何時におきよう」とスケジュールをたてて作っていたに違いないから、「わー、こんなになっているなんて、全体がいい調子だなあ。観てよかったなあ」と、そっちに真剣に感動したことを思い出した。

これからしばらくは、むーにゃんパンにしよう。他にも何かを思い出せそうな予感。思い出せなくても、わたしをここだよ、とキープさせてくれるパン。