守られている姿 その１

私の住まいの前には、選挙立候補者掲示板がある。
ここ数日、その前を通りすぎては浮かんでくる映像がある。
それは、里山で見たバッタ(もしくはカマキリ)が蜘蛛の巣にひっかかり、主であるクモにきゅるきゅると糸を巻かれていく場面。捕獲された後のバッタとクモの姿。
その姿になぜか見いって、きれいだな、とさえ思ってしまったその時の心の気持ち。

政治について何ひとつ話せる知識のない私ですが、それでも知らんぷりはしたくない。かもしれないような……。
ともかく、イベント「結色音」の日が投票日だったので、期日前に投票を終え、そして当日は、いつも通り駅へと向かう道の掲示板の前で足が止まった。

台風のやってくる雨がザーザーと降っていて、
ずぶ濡れになりますよ、なんて思いながら、やっぱり浮かんでくるのは、ポスターの方々を何度見ても感じられなかったこと。

バッタとクモの、生命が生きようとしている姿。
通りすぎる度に思いだしていたのは、バッタとクモのその姿(存在)に、守られている、と感じたからだ、と気付いた。
投票に行くと決めていただけのそれが、こんな風にあらわれて大収穫だなと思えた。

つづく➡